2月15日、パシフィコ横浜インタースタイル会場で第三回海を愛する政治家フォーラムを開催した。
本フォーラムは、デジサーフ社の動画配信による公開寸論。一回目は全国のサーファー議員が集い、二回目は学識者と政治家の意見交換、三回目の今回は「超党派議員連盟の設立」について意見が交わされた。
座長 塩坂源一郎(元神奈川県議会議員・元JPSA事務局長)
参加希望だった馬淵澄夫衆議院議員(元国交大臣)が国会本会議と重なり欠席。馬淵議員からの動画メッセージでフォーラムがスタートした。
SFJ代表 中川 淳
全国規模でサーファー議員連盟を設立して、縦割り行政と言われる高い壁を横乗りマインドで乗りこなし、市民レベルの声で海岸行政を動かすことは出来ないだろうか?SFJのメンバーが示せる意識調査が世論調査と同等の数に近づいてきた。数を示すことで政治に影響を与え、民主的に行政を動かす。つまり、これからの環境保護活動は、反政治的運動ではなく、私たち市民が積極的に政治と関わり、穏やかな対話を繰り返すことの方が重要なのではなかろうか?もうこれ以上政治に失望したくない。変化を起こせるタイミングは、今しかないだろう。
東京工業大学准教授 社会学者 西田 亮介
本来ならば議員連盟とは、利益団体側が事務局を作り政治に働きかけて設立するものである。しかし、サーフィン界には競技団体が複数存在して、利益団体としてのまとまりがないことが問題視されている。その上サーフィン業界は、産業界としては規模も小さく、連帯もなく、将来的な見通しも暗い。そのことがオリンピック予算を上手に獲得できなかった原因であることは明らかで、だとすると議員連盟の設立も困難なのではなかろうか。
神奈川県議会議員 近藤大輔
神奈川県の海岸を守る「神奈川県なぎさ議員連盟」の活動実績を紹介。SFJが市民の声をまとめて数を示し、意見として議連に伝える。それにより政治活動がしやすくなるという仕組みは機能するし、賛同する政治家を集めることも可能だろう。
環境省環境カウンセラー 成島 誠一
我々サーファーが、海の環境を守るために政治と正面から向き合う。それは、今まで出来なかったことであり、オリンピックを機に、真剣かつサーファーらしく議論すべき課題であることは間違いない。社会の様々なポジションに、海を愛する純粋なサーファーが存在している。SFJがフェアなスタンスで呼びかけて、連帯することが出来れば、きっと過去に事例のない大きなアクションが生まれるだろう。
藤沢市議会議員 佐賀 和樹
藤沢市議会の本会議中につき、フェイスタイムで参加した佐賀議員。市民運動家から政治家に転身した経緯もあり、今回の議連設立には積極的関わっている。藤沢市では、海の水質問題を取り上げて下水道改善計画の実施、鵠沼のスケートパークリニューアルなど、SFJと積極的に関わることで行政予算を大きく動かして、政治家として実績を次々と確立している。
議連設立の課題点として、利益団体の構築がある。まずは、政治家側が超党派の全国サーファー議員連絡協議会を立ち上げ、SFJと連携して議連設立までの課題を共に乗り越えていくことになった。
今回の意見交換で明らかになったのは、むしろ縦割りなのはサーフィン界なのかもしれない、ということだ。海を守るためには市民の声を数で示す、つまり私たちサーファーが一つにまとまることが必要なのだ。何が分断の理由なのか?過去に縛られず今を見つめて、アップデートすべき課題を見つける。サーフィン界の未来のために、市民側の一人一人がよく考える必要がある。そろそろ本気で考えよう、海を守るために・・・
新作CDをリリースして、SFJの活動をサポートするアーティスト、東田トモヒロと小沼ようすけ
写真撮影 市川 紀元