パドル PADDLE

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PADDLE

パドル。PADDLE.

名詞としては、カヌーを漕ぐ道具やウミガメなどの水かきを意味します。それが動詞になると「漕ぐ」となり、僕らに身近な響きを持ちますね。サーファーなら誰でも知っている、水面で前に進むための、あの動作のこと。

今回は「漕ぐ」という、シンプルかつ当たり前だけれども、実はとてもとても奥の深い動作について掘り下げてみようと思います。

僕は9歳でサーフィンを始めてからずっとショートボーダーで、最初は誰しもがそうであるようにパドリングもままならず、波に押し戻されてばかり。しかし子供特有の吸収の早さからか、気がつくと当たり前のようにゲッティングアウトしていました。それからは特にパドリングに意識を置くということはあまりなく、完全に無意識でパドルしていたと思います。

しかし、数年前にSUPレースに出場しはじめたことで「いかに速くパドルするか」が課題になり、パドルのしかたにフォーカスする機会を得た僕は「パドルで如何に水を捉えるか」を考えました。

もともとパドルは速い方だったのですが、SUPのパドルワークから学んだ水の捉え方は捉え方は僕のパドルを次の次元に押し上げてくれたのです。

最も重要な意識は手ではなく「指先から腕の付け根まで」の最大面積で水を捉えることと、捉えた水を手前に引っ張ってくるのではなく、手を入れた場所に自分の体が移動するイメージを持つことです。

文章からイメージを汲み取るのは簡単ではありませんが、ぜひ挑戦してみてください。パドリング革命が起きるかもしれませんよ!

さて、コラム序盤でパドルとはカヌーを漕ぐ道具との意味の名詞だとお話ししました。

ここからは昨冬訪れたハワイ島でみた、古代ハワイアンカヌーのストーリーを数回にわたってお届けしたいと思います。

ハワイ州・ハワイ島。ビッグアイランドの名前で親しまれているこの島はハワイの島々の中でも最も新しい島で、今もなお火山の活動が続いており、海に流れ込む溶岩によって島は更に大きくなっています。ハワイ島の人たちはこの火山の活動をペレという神様の御業と捉え、例え溶岩に家が潰されてしまおうとも、畏敬の念を抱き、受け入れるといいます。

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そんなハワイ島の東部に位置する街「ヒロ」で古代ハワイアンカヌーを建造する、アンクル・レイとご縁で繋がることができました。

古代ハワイアンカヌーとは、世界でサーフィンが始まるよりもずっと前からその歴史を持つ、一本の大木をくり抜いてカヌーを建造するという神秘的なカヌーです。

その重要性は、カヌー職人にはハワイの王様のによってとても高い身分が与えられていたことからも推し量ることができます。

しかしその崇高なハワイアン文化がいま、失われてしまうかもしれない危機に瀕しているそうです。ハワイはアメリカに統治される以前は独自の国家を築いていました。

そこにはハワイ語やフラ、自然信仰の宗教など大変貴重な文化が存在しましたが、18世紀にそれらを放棄する動きが起こり、そのタイミングでキリスト教が伝来したことで彼らはそのユニークかつ崇高な文化を失ってしまったという経緯だそう。

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ハワイが近代化していくなかでも古代カヌーの歴史は細まりながらも受け継がれてきましたが、今現在ハワイ全域を探しても、古代カヌーを建造できる人はアンクル・レイただ一人となってしまっているそうです。

そんな重要人物と多くの時間を過ごすことができたこの旅を次回もお届けしたいと思います。

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パドル PADDLE

サーファーとして、海に精通する者を目指す者として、次回のコラムでは継承されなくてはならない文化としての古代ハワイアンカヌーに、さらに迫っていきたいと思います。

協力 : NPO法人日本ハワイアンカヌー協会 (JHCA)

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