長編ドキュメンタリー映画『WAKITA PEAK』
ご挨拶
映画『WAKITA PEAK』監督の清野です。
制作期間3年をかけ、ようやく完成しました。
この映画は世界で最もコアなサーフィンの世界を舞台にしていますが、いわゆるサーフィンのジャンル映画ではありません。描かれているのは、たった一つのことに人生を捧げる男の生き方です。家族を抱え、思春期の子どもたちに全力でぶつかり、将来への不安も抱えながら、それでもなお自分の道を突き進み、時には敗北し、後戻りすることさえ出来ない現実。それは、将来への不安から諦めてしまった誰かの夢の先にあったかもしれない現実でもあります。そして、物質的豊かさには恵まれながらも、日々に追われながら漠然と生きる現代社会の中で、ただ、「今」という瞬間を精一杯生きる脇田を通して、愚直なまでに純粋に生きることの“狂気と美しさ”を描きました。また、サーフィンは娯楽やスポーツでもありますが、内省的な一面を持ち、ある者たちにとっては宗教であり哲学。だからこそ時に人を破滅にも導きますが、命を豊かにもします。この映画はサーフィンのそういった一面にも深く切り込んでいます。
この映画を特に、サーフィンを知らない人に見て欲しいと願っています。一般的なサーフィンのイメージの中に、こういった本質が含まれていないことが多いと思うからです。脇田さんの生き方、パイプラインという波を映画として届けた時に、少しでも見た人の人生が豊かになるような、諦めかけていた夢をもう一度見つめ直すきっかけになればと願っています。
広くこの映画の存在を知っていただけるよう、みなさまのご協力を頂ければ幸いです。
監督 清野正孝
作品概要
多くの有名TVドキュメンタリー番組も実現出来なかった、知られざるサーフィンの聖地ハワイでの脇田貴之の活躍とリアルな物語を描く。
これまで多くの有名TVドキュメンタリー番組でも実現出来なかった、脇田貴之への密着撮影。その生き様に魅せられた清野正孝監督(初長編監督作品)は、ようやく実現した本作品で彼とその家族、世界的なサーファーやサーフィンの聖地ハワイ・ノースショアのレジェンド達の、普段あまり目にする事が出来ない姿を多く捉えている。
ストーリー
サーフィンの聖地ハワイ・ノースショア。
奇跡の7マイルと呼ばれるそのエリアには、世界屈指の波が無数に存在する。中でも別格なのが、パイプライン。世界で最も危険で美しい、波の女王だ。その波に世界で唯一自分の名前を刻んだ日本人サーファー、脇田貴之。ハワイアンにとって海は生活のすべてであり、神聖な場所。脇田はそんなハワイアンたちを尊重し、彼らも手を出さない巨大で危険な波だけが来る場所で波を待つようになった。いつしか人はその場所を「WAKITA PEAK(ワキタピーク)」と呼ぶようになったのだった。
監督プロフィール
清野正孝 Masataka Kiyono
1980年生まれ。湘南在住の映像作家。
米国、Los Angeles City Collegeで映画制作を学ぶかたわら、サーフィンに魅せられる。
帰国後、テレビドラマ制作会社の助監督を経て、フリーランスの映像作家となる。
サーフィンの旅をテーマにしたアートフィルム作品ではブラジルのフィルムフェスで作品賞を受賞。
本作『WAKITA PEAK』は初の長編作品となる。
一般公開は6月8日(金)よりお台場のユナイテッド・シネマ・アクアシティほか全国全国映画館で順次公開されます。
前売り券一枚につき100円と配給収入の5パーセントがサーフライダーファウンデーションに寄付され、日本の海岸環境の保護に役立てられます。
SFJ事務局に古くからノースショアに所縁のある湘南のレジェンドサーファー達が集まり、全国での公開に先駆けて、初めての試写会が開催されました。