ゴミがゴミを呼ぶ?ゴミ箱問題

存続の危機にある湘南海岸一帯のゴミ箱「あったほうがいい派、なくなったほうがいい派」意見は二つに分かれる。

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勿論、何の問題も無いのであれば、ビーチにゴミ箱くらいあっても良いと考える人が多いだろう。そこで、この問題、ゴミ箱の設置とゴミの回収がどのような仕組みになっていて、何が問題なのかを理解する必要がある。

まず、かながわ海岸美化財団の話をもとに、財団が回収しているゴミ箱について説明しよう。これらのゴミ箱は市町によって設置され、ゴミの回収は財団が行う。財団による海岸清掃の費用は、県市町の負担金と国の補助金が財源となっている。つまり、私たちの税金がもとになっている。実は、このしくみの中で、ゴミ箱のゴミの回収にかかる費用に、国の補助金を使ってはいけないことになっている。しかし、他県で、このルールに違反していることが発覚して、国の補助金を返納する事態になったそうだ。そこで、神奈川県でも同じことにならないようにと、ゴミ箱の設置が見直されているのだ。

こうした費用に関するルールだけでなく、そもそも、海岸のゴミ箱は必要なのだろうか?実際に、財団が回収しているゴミ箱には、BBQゴミや犬のフン、ビーチに訪れた人々が出すゴミが平然と捨てられている。目の前にゴミ箱があれば、そこに捨てることは、海岸に捨ててしまうという最悪の行為よりかなりマシなことだ。だから、ゴミ箱があるから、海岸にゴミが散乱しないという考えもあるが、ゴミ箱がゴミを呼んでいるということも否定はできない。

現状をよく理解して、自分が出したゴミは本来各自の家庭に持ち帰るものだということを、まずはビーチサイドの住民が率先して、自分たちの環境を守るためにも、徹底していかなければならないだろう。

それ以外にも、ゴミ回収の有料化により家庭ゴミが海岸のゴミ箱に捨てられていたり、建築資材などの産業廃棄物や大型家電が捨てられていることもある。これは不法投棄そのもので、明確に取締りの対象として警察が見まわる必要があるのではなかろうか?

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16万人以上のビーチクリーンボランティアがいる神奈川県。県知事の掛け声でスタートした「かながわプラごみゼロ宣言」に伴い、各企業の取組も進んでいくことだろう。

今思うことは、ビーチクリーンアップで手にしたゴミのいくつかをあなたの職場に持ち帰り、勤務先でできる取組を呼びかけることが最も効果的なアクションなのではないかということ。海のゴミの大半は街から流れ着く。あなたが勤務する企業が、そのゴミが生まれる理由に一部でも関わっているのならば、あなたはその事実を会社に伝えるべきだ。その積み重ねが、ゴミのない未来をつくる唯一の解決策なのかもしれない。

SFJ代表 中川 淳

協力 公益財団法人 かながわ海岸美化財団

WEB : http://www.bikazaidan.or.jp

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カリフォルニア州ベンチュラのPatagonia本社を訪れた際に、ビーチの様子を視察した時の写真。

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ゴミ箱は、海岸利用者の為のもので近隣の公園が管理して、ゴミ回収を行っていた。

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マリブビーチでは、企業のバナー付きのゴミ箱がたくさんあって、清潔に管理されていた。

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我が国の海岸管理に関わる法律

環境省 自然再生促進法 http://www.env.go.jp/nature/saisei/law-saisei/

環境省 海岸漂着物処理推進法 https://www.env.go.jp/water/marine_litter/law.html

国土交通省 改正海岸法 http://www.mlit.go.jp/river/kaigan/main/coastact/

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