第一回SFJ運営諮問会議
平成28年4月10日 AM10:00~12:00
サーフレジェンド会議室にて第一回SFJ運営諮問会議が開催された。総勢25名の諮問委員のうち16名が出席、4月1日付人事で新任事務局長に就任した岡田千枝と同じく新たに理事に就任した佐久間泰介の挨拶と紹介から始まり、終始和やかな雰囲気の中今後の運営方針への助言をもとめ、意見交換が行われた。
現在SFJが掲げる目標である「公益法人化」について、意見が交わされた。公益法人化を目標とする理由は一般的な認識である寄付金の税控除の優遇の為ではなく、「民による公益の増進」という内閣府が掲げる目標に沿った、政府を補完する役割を持つ市民の組織(NGO)へのアップグレードを目指している旨の理解を求めた。
近年、消費型社会や市場主義経済への閉塞感を感じて、公益法人で働くことを希望する若者が増えているという。環境保護活動の実績を積み上げてクリーンな組織としてSFJを次世代に残すためにも公益法人化は最重要課題なのだ。
又、地方自治体の分野で街づくりに不可欠なものとして唱えられている概念「市民と行政との協働」すなわち市民参加型の行政のあり方が日本各地で浸透していく光景にも、SFJが国内の海岸環境を守る役割を持つ「環境NGO」として発言力を増していくチャンスが到来したと見ることができる。
更に、オリンピック競技種目の最終候補に残ったサーフィンに対する社会的な認知度や健康的なライフスタイルとしての関心は非常に高い。すなわち現在の状態は、ファッションに頼った過去の一過性の「サーフィンブーム」と呼ばれた時とはかなり違う意味合いなのだ。
今後、私たちサーファーの自然環境に対する純粋な思いが企業や行政に届き、前向きな変化が起きていくイメージをひとりひとりが強く持って欲しい。
NPO法人日本スケートパーク協会理事長の河崎覚氏から、未だ20代だった頃に粘り強く地元の行政に働きかけ、市の予算で大規模なスケートパークの建設を実現した成功事例の説明を受けた。そのスケートパークはテトラポットや防潮堤と同じ材料(コンクリート)で作られているのだ。では、その発想を海辺の環境保護に向けてみよう。市民が何を望んでいるのか?きちんとした声を相手に届けることが大切なのだ。
全国サーファー議員フォーラム設立へ向けてリーダとなる塩坂源一郎座長。サーファーと政治が対立するのではなく、対話しながら関わっていく時代が始まる。
海を愛する市民を代弁する組織、環境NGOとしての効果的なロビィングを実現するためには、サーファー議員の方々に超党派で集っていただき、私たちサーファー(市民)との対話の場を作っていく必要がある。「議員だけではなく、政治に関わるサーファーを広く集めてシンクタンクのような機能を目指すべきだ」との提案があった。
つまり、社会を構成する多様なステークホルダーが一丸となって取り組まなければ、SFJの目的である「日本の海岸環境の保護」は実現できないのだ。
サーフアートの分野で国際的に活躍中の花井祐介氏からは、「国内のビーチクリーン活動の統制と活性化を図る役割をSFJが持つべきではないか?」そして、国内最大のサーフ系フェスである横浜赤レンガ倉庫のグリーンルームフェスティバルを主宰する釜萢直起氏からは、「活動内容がはっきりとわかるキャンペーンを行うことにより、SFJに対する理解が深まるのではないか?」など、時代を牽引する若きリーダーたちから、SFJの認知度を高めるために今後の活動への具体的な意見が提案された。
最後にSFJ運営諮問委員会委員長サーフレジェンド加藤道夫氏の「今後の活動について、選択と集中が必要だ」という締めの言葉で、本会議は終了した。次回の諮問会議は本年11月を予定している。
写真撮影 市川紀元
書記ボランティア 立身真紀子(パタゴニア日本支社社員)
補足:参考リンク