New!!FOX Project x 海の寺子屋 2024

辻堂の海が見えると、入り口から海まで、青いマットに導かれる。
NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの古川尚子さんは
このマットをバンに積んで日本中を飛び回っている。

「海辺の自治体がみんなビーチマットを持っていてくれたらいいのに」
と古川さんが言うとおり、コツさえ掴めば設営撤収も難しくなく、
海だけではなく、砂利や土など車椅子が入りにくい場所での活動の
可能性を広げてくれる。

遠くから眺める海と、目の前でしぶきに触れられる海とは、まったく異なる存在だ。
そして、その波をかぶり、波の上下に身を任せながら全身で抱かれる海もまた違う。

今日この場に集う人はみな、この海を体験できる。

昨年から始まった、「FOX Project x 海の寺子屋」。

Foxプロジェクトとは、「一般社団法人こたえのない学校」が主催する活動で、
Fox Labというインクルーシブ教育と探究する学びを融合させた学びの場を開きながら、
「良い出会い」にはじまる、共に生きる時間と場所について考えるプロジェクトである。
プロジェクトの経緯は、昨年度のレポートを読んでいただきたい。

私は昨年度は参加できず、「もうほんとよかったよー！！」という感激だけを
聞きながら残念な気持ちでいたので、今年は参加できてとても嬉しい。

浜辺に集まって自己紹介を終えると、Nami-nicationsのみなさんは
サクサクと陸地でサーフボードにのる練習をはじめる。
プロサーファーでありサーフライダーファウンデーションジャパンの
アンバサダーでもある武知実波さん、古川さんと一緒に、あっという間に海に出ていく。
ここに集まっている人たちは、ほんとに素敵な顔をする。

Foxプロジェクトでも訪れているデンマークのエグモント・ホイスコーレンで
スタッフをしていた先山智さんが、同じくスタッフのアンドレアス・フリースさん、
同時期に在籍していたしょうたくんゆうたくんと一緒に参加してくれた。

福井から介護タクシー、新幹線、レンタカーと乗り継いでやってきた
まさき君は、旅の疲れからか海風の心地よさからか、眠っている時間が長く
海には入っていなかった。

そんなまさきくんも、残り時間がわずかになってきた頃に目を覚まして、
その隙を逃さず、大人たちがニヤニヤしながら海に連れていく。
大人たちが嬉しそうなこんな瞬間も、なんだか良い時間。

去年はぴかっと晴れ、穏やかな海だったとのこと。
今年は、曇り空の中だんだん波が高くなっていく。
白波に少しだけ心配も増していくけれど、だからこそ体験できる
波に押し返されそうな力や、波にすーっとのる感覚がある。
そうやって、今この時間を、そこにいる皆がそのまま体験する。

海から上がったあとは、今年も遊びリパークリノアさんの施設をお借りして
昼食を食べたあと、一人ひとりが感じていることを分かち合った。
今年初めての参加者のひとりが、たっぷり時間をかけて

「海に入りました。」

と言った。そうそう、海に入ったよね。
水の中の感覚や浜辺のにおい、一人ひとりの顔や思わず出た歓声がもどってくる。

「海は私たちが関わってほしいようには関わってくれません。
誰にでも公平に、でもいつもそこにいてくれます」と実波さん。
大事なことを思い出させてもらった。

昨年に引き続き、サーフライダーファウンデーションジャパン中川淳さんから、
サーフボード、テントなどをお借りし、参加した子どもたちにはタオルとラッシュガードをご寄付いただきました。

MABO ROYAL HAWAIIさんからはウェットスーツをお借りし、安心して活動を進めることができました。
ありがとうございました！

＜主催＞
一般社団法人こたえのない学校／FOXプロジェクト
https://kotaenonai.org
https://www.foxpj.org

＜共催＞
一般社団法人サーフライダーファウンデーションジャパン（SFJ）

＜協力＞
NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト
https://sumauniversalbeach.com

一般社団法人サーファーズケアコミュニティNami-nications
https://nami-nications.com

NPO法人laule’a（ラウレア）
遊びリパークリノア（辻堂）
https://onl.la/XexnLTy

＜協賛・協力＞

MABO ROYAL HAWAII
https://maboroyal.net