クタビーチ。観光客はほぼおらず閑散としている。
最近多くの人たちから「コロナ禍のバリ島の状況はどうなっているの?」という質問を受けるので、在住者の目からみたそれをまとめてみました。4月下旬の空港閉鎖が始まった頃はビーチも閉鎖され、人々は未知の新型コロナウィルスに怯えていましたが、11月に入った現在は、ウィルスにただ怯えることはなくなり、対策を取りながら政府の決定する外国人受け入れの始まる日を待っている状況です。
バリ島2020年11/25現在の新型コロナウィルスの状況
感染者数 12337
入院患者 555
快復者数 11388
死亡者 402
【入国禁止状況とその影響】
全ての観光目的、短期出張の外国人の入国禁止が4月より現在まで続いています(国内観光客は7/31より受け入れが開始されました)。それにより、観光業に従事する多くの人々が経済的に大打撃を受け、何千人もの人たちが職を失いました。
ビーチは5月前後は閉鎖されていてサーフィン禁止のポイントも多くありましたが、現在閉鎖されているポイントはありません。ホテル、レストラン、ビーチバーなどのオープン具合は、地域によりルールが決められていることもありバラつきがあります。例えば、クタビーチのビーチバーは現在もクローズしていますが、5分歩いた隣のレギャンビーチはオープンしているところが多くあります。
外国人観光客がターゲットのクタのお土産ストリートはシャッターがほぼ閉ざされていますが、外国人在住者が多くいるチャングーのお店は8割ぐらいがオープンしています。観光客がいない中、各ホテルやレストランはサバイバルするために奮闘、コロナディールと呼ばれる半額セールなどの商品が多く出回っています。
常に満席だったウルワツ寺院のケチャックダンスも現在はインドネシア国内客が約3割の席をうめるのみ。
【実は可能な入国とケリースレーター】
一方で、家族ビザ、資本家ビザその他複数のビザの発行が再開し、外国人でもビザを取得してバリ島入りする人たちが増えてきました。9月にバリ島入りし、最近まで各地で波乗りを満喫し、多くの住民に夢と明るい話題を提供していたケリースレーターも、何らかのビザを取得して滞在中だったと思われます。ビザに関しては、最近ウェブ申請も可能になったとの情報もあり、個人もしくはエージェントを通して誰でもビザが取得できるので、この機会に長期滞在を考えてみるのもいいかも知れません。
スーパースター、ケリーとの遭遇はサーファーにとってはとても興奮するハッピーな出来事。多くのバリ在住サーファーたちが元気付けられました
【現在のサーフィンの状況】
コロナ前まで見られていた各ポイントでのサーフィンスクールなどがほぼ無くなり、サーフィン人口は半分以上減ったように見受けられます。そのため、ポイントパニックや、ルールを守らないサーファーが少なくなり、各ポイント友好的な雰囲気になっています。渋滞がないため、サーファーたちは東西南北その日のコンディションに応じて自由に島内を移動しています。
いつもはスクールなどで混雑していたクタのハーフウェイも今は友好的なサーファーが多い。
【バリ島ローカルのコロナルール】
外出時マスク着用。ルール違反者には最大100,000ルピア(約800円)の罰金が課せられます。実際、警察が道で検問してマスク不着用者をとめている光景を目にすることがあります。スーパーやお店では入り口で検温している場所も多いです。地元の学校は4月以降現在までオンラインスクールという名の閉校状態が続いていましたが、来年に再開すると政府から発表がありました。
4月以降閉鎖されているFinns beach club
【今後の見通し】
観光収入の途絶えたバリ島全体が常に注目しているのは、外国人受け入れ再開のタイミング。4月の外国人受け入れ禁止以降、何度か再開の噂やニュースが流れましたが、全て実現せずに終わり、その度に観光業従事者は肩を落としてきました。本当の外国人受け入れはいつ始まるのか。最近では、12/1からだとか、来年からだとか噂されていますが。もし始まったとしても、世界の状況を見るに、すぐに前のような観光地に戻るには2年はかかるのでは、と言われています。
【私個人のまわりの状況】
4月、他島から出稼ぎにきているビーチバーのボーイは職を失い田舎にも帰れず「食べるものもお金もなくて家賃(8000円)が払えない。助けて」とメッセージしてきました。他にも「ホテルのセキュリティガードの夫の給料が半減してしまった(前までの給料は月5万円、現在が2万5000円)。子供3人を養いきれない」など、今までのバリ島生活でかかわった人々からSOSのメッセージがきました。そんな人たちを、食べ物だったりお金だったりで持続して個人的にヘルプしている状況です。4月には私の経営する草木染め服Indigo Sea (インスタグラム @indigoseaclothing ) で全額寄付の商品を販売し、お陰様で多くの方たちにご協力いただき、売上金をお弁当を配るプロジェクトに寄付することができましたが、持続はできていません。
年中トロピカル気候のバリ島は、壁などのないオープンエアな建物が多く、コロナ感染の見地からすると、閉ざされた環境よりはましなアウトドアな環境と言われています。バリ島がオープンして数ヶ月は、以前のように海や観光地が混むこともないでしょう。バリ島がオープンした際には、ぜひご旅行をお考えください。こちらに観光に来ることが、今後のバリ島観光業復興につながると思いますので、どうかよろしくお願いします。
コロナ禍でも、SFJから寄贈していただいたトングを使って、毎週火曜日にチャングーにてビーチクリーン活動を続けています。バリ島が再開した際には、ご旅行中のみなさまもお気軽に参加ください!
Chieko 坂本 Frank