さて、この場を借りて第三回となるハワイアンカヌーのお話。
まだまだ伝えたいことがたくさんあるのですが、ひとまず今回がラストです。第一回のPADDLE、第二回のALOHAで僕がハワイアンカヌーに触れた際感じたことを綴らせてもらいましたが、今回はVISION and ROOTS。日本ハワイアンカヌー協会(JHCA)のビジョンと僕なりの解釈です。
ハワイアンが欧米文化の到来とともに徐々に失ってしまった彼らの独自の文化の保存とアイデンティティの復興。これはハワイアンカヌービルダーたちのビジョン。
一方、JHCAのビジョンはというと、”古代ハワイアンカヌーを通じて私たち、そして次世代の自然環境への理解と関心を高め、地域コミュニティとの絆を深める事を目的に子供カマクラ号を建造し、仲間を増やし、自然を学び、日本中に拠点を作り、そのカヌーで日本一周する。そして、60フィートの大きなダブルハルカヌー、カマクラ号を建造し、ハワイまで航海する。”です。
ハワイの文化や伝統技術を学びながら古代ハワイアンカヌー「カマクラ号」を制作し、星を読むことで進路を導きだすStar Navigationを初めとする、航海に不可欠な海洋、天体、気象など、さまざまなことを太平洋の豊かな伝統文化に触れながら学ぶ。
制作の段階ではみんなで木を担ぎ、ロープを引く。海に出てカヌーを操り、仲間と集う。まわりの人をケアし、助け合う心がその中で育つでしょう。
子供たちに海や自然を体験する機会を提供し、健全な未来・よりよい自然との関係を築き、地球を大切にすることの重要さにカヌーを通して気付いてほしい。
なんと心がワクワクすることでしょう。
僕はありがたくも海外に赴く多くの機会に恵まれ、日本という国を海外から客観的にみることができていることもあり、日本という国に生まれてこの時代を生きるものとしてもっと日本を知りたいと思っています。
礼節、粋、縁、感謝、尊重。日本人が持つ価値観は世界的にみても類稀なる感性があると僕は信じているし、古代ハワイアンカヌーの文化やJHCAのビジョンから崇高な感性を学ばせてもらっていることにも感謝です。
この場を借りてJHCAの創始者であるタイガー・エスペリさんのメッセージを改めて紹介させていただけたらと思います。
”カマクラ号を通して子供たちは多くの人々と触れあい、年長者を尊敬し、周りの人々を気遣う心を育てるでしょう。
カマクラ号を通して子供たちは自然をよく知り、神聖な地球と生物を大切にすることを学ぶことでしょう。
豊かな未来を考えるようになるでしょう。
カマクラ号を通しポリネシアの文化を学ぶことで、日本の文化を改めて知ることになるでしょう。
そしてそれがどんなに大切なものかを再確認するでしょう。”
サーフィン、釣り、そしてハワイ文化に精通した者として、ホクレア号やマカリイ号の建造に深く携わったタイガーさんは残念ながら2005年に他界されてしまいますが、彼のメッセージは今もこんなにも力強く僕らに語りかけてくれています。
古代ハワイアンカヌーやポリネシアの文化に触れて、改めて気付く日本の独特かつ美しい文化。
ご縁、出逢い、繋がりに感謝し、彼らのビジョンを通してこれからもたくさんの素敵な学びを得られるのが楽しみでなりません!
さらっと表面上しか紹介できませんでしたが、さらに詳しく知りたいという方は「日本ハワイアンカヌー協会」とググってみてください。気づき、感じ、考え、行動する。です。
僕らが生命の営みをさせてもらっている、地球。
この力強く美しい惑星を舞台に何を大切にしてどう生きるのか、なにを残すのか。
僕はこれからもサーフィンやたくさんの文化との出会いや交流を通して、常に学び、考えることをやめずに前を向いて力強く生き抜きたいと思います。
協力 : NPO法人日本ハワイアンカヌー協会 (JHCA)